この記事は
「ロックミシンってどんなことができるの?」
「ロックミシンってそもそも何?」
という、ロックミシンの購入を検討中の方、またはロックミシンに興味を持たれた方向けに役立つ記事になっています。
パタンナーとして服作りに携わっている自分が、できるだけわかりやすく解説します。
ロックミシンでできること
基本機能は布の裁ち端処理
ロックミシンでできること、ロックミシンの基本機能は「布の裁ち端処理」です。
みなさんがお持ちの服の内側を見てください。
脇のあたりがこのようになっていませんか?
ミシンの縫い目があり、その右端に糸のギザギザが見えます。
このギザギザがロックミシンの処理です。
このような服(布)の端処理をすることがロックミシンの基本機能です。
どうして布の端には処理が必要なの?
ロックミシンをかけることで布端がほつれなくなる
布はタテ糸とヨコ糸で織られています。
そして、はさみで裁断したままの状態だと、このたて糸とよこ糸がほつれてきてしまいます。
このほつれを防止するのがロックミシンの役割です。
ロックミシンをかけることで、布端がほつれなくなります。
この「裁ち端をほつれなくする」のがロックミシンの役割であり、基本機能になります。
布端は切っぱなしだとほつれてきます
これを防止するのがロックミシンの役目です
「裁ち端処理」以外でロックミシンでできること
裁ち端処理の延長線上で、ロックミシンでできることは他にもあります。
代表的な2つの機能を紹介します。
またここでは代表的な多機能ロックミシンである「2本針4本糸ロックミシン」でできることについて解説します。
各メーカーのロックミシンのスペックとおすすめ品についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
ロックミシンのおすすめと選び方 プロ視点で詳しく解説!【2024年】
4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)
ロックミシンがあると、Tシャツなどのカットソーが縫えます。
4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)という機能です。
こちらはTシャツの脇の裏側です↓
こちらには先ほどのストライプの生地の画像とは違い、地縫い(通常のミシン縫い)はありません。
見た目はロックだけのような印象です。
このような 縫い方を4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)といいます。
(ロックミシンのメーカーにより、同じ縫い方でも呼び名が異なります)
4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)の特徴は、ロックと地縫いが一緒にできることです。
通常の布は地縫い(ミシン縫い)をしてから端をロック処理しますが、 この機能を使うと、縫いとロックが同時にできます。
この機能はTシャツなどの伸縮性のあるものに適した縫い方&処理です。
理由はこの縫い方をすると「縫い目の伸度」をキープできるからです。
Tシャツなどのニット地は伸び縮みしますよね??
この縫い方をすると、 縫い目が伸び縮みに 追従してくれます。 (一緒に伸び縮みしてくれます)
通常のミシンで地縫いを入れると、どうしても縫い目が固定され、とまってしまいます。
縫い方を4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)をすれば、 縫い目の伸縮性もキープできます。
縫い方を4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)はざっくり、Tシャツなどに適した縫い方である、と覚えておいてください。
4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)はTシャツなどに向いた縫い方です
巻きロック(全巻き縫い)
ロックミシンがあると巻きロック(全巻き縫い)ができます。
「巻きロック」とは以下のようなものです。
主にハンカチやスカーフの端、またはスカートやワンピースの裾(すそ: 下端の部分) に使用される縫い方です。
特徴として、細くコロッとしたひも状の処理になります。
こちらは裁ち端の処理だけでなく、 「装飾」の意味合いもある縫い方、 端処理になります。
ワンピースやスカートの裾に入れれば、フリルのようになります。
主に薄手の生地で使用される縫い方になります。
厚手の生地では端が巻けずにうまく処理できないことがあります。
巻きロック(全巻き縫い)とは、幅が細い縫い代処理で、薄い生地に使用される縫い方です。
更に装飾的な意味で使われることもある、と覚えておいてください。
巻きロックは(全巻き縫い)はハンカチやスカーフの端などに使われます
また装飾的な意味も兼ねて、スカートの裾などにも使われます。
「ロックミシンでできること」のまとめ
- ロックミシンで布の裁ち端処理(ほつれ予防)ができる
- ロックミシンでTシャツが作れる(4本糸縁かがり(4本糸合わせ縁かがり縫い)ができるもの)
- ロックミシンでハンカチなどが作れる
今回ざっくり説明しましたが、さらに詳しい、ロックミシンの選び方とおすすめはこちらで詳しく紹介しています↓
>参考記事:ロックミシンのおすすめと選び方 プロ視点で詳しく解説!【2023年】
ぜひ参考にしてみてください。