コートのボタンは裏側に「力ボタン」と呼ばれる小さなボタンを通してとめつけます。
力ボタンがあることで、重い生地でも、安定してボタンをつけることができます。

ボタンの付け方っていろいろあるの?
以前、ブラウスのボタンの付け方を説明しました。このつけ方とは少し異なります。
正確にはボタンのつけ方は生地の厚さや重さに応じて使い分けます。
コートのボタンの付け方の特徴って何?
大きく2つの特徴があります。
一つはボタンに根巻きをして「足」をつけること。
もう一つは 「力(ちから)ボタン」を使うことです。
ボタンのつけ方は冬のコートの特徴と関係する
一般的に冬のコートはしっかりとしたウール生地などを使用して作られています。そのため風を防ぎ、体を暖かく保ってくれるのです。
ただ防寒用で生地が厚いので、春先などに着用するスプリングコートなどに比べて重量が重いです。
「生地が厚いこと」と「重量が重い」ことの二点がコートの特徴となります。
生地の厚さに対応するために「根巻き」をつける
生地が厚いためボタンのつけ方も一工夫が必要です。
「根巻き」とはボタンの下にぐるぐると糸を巻きつけることをいいます。
ブラウスのように薄い生地ならばボタン付けの根巻きはそれほど必要はありません。しかしコートとなると生地が厚いので
それなりに根巻きの長さが必要になります。

根巻きを長くつけること、これが一つ目の特徴です。
力がかかっても大丈夫なように「力(ちから)ボタン」を使用する
次は重さ対応です。コートを着用すると以下の図の矢印のように力がかかります。

このボタンにかかる力を分散するために力ボタンを使用します。

皆さんのお持ちのコートのボタンの裏側を見てみてください。下の写真のような黒い小さなボタンがついていませんか?
この黒いボタンを力(ちから)ボタンといいます。
力ボタンを使用すると、ボタンにかかる力を分散することができます。

一点だけに力がかかると最悪生地が切れてボタンが糸ごと抜けてしまいます。これを防ぐために力ボタンを使用してかかる力を分散させます。
ボタン付け糸は「20番手」を選ぼう
ボタン付け糸はこのような20番手のものを選んでください。
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20番手は少し太めのボタン付け糸です。
冬のコートにはぴったりです。
実際にボタンを縫い付けてみよう!
以上のように根巻きを長くすることと、力ボタンを使用することがコートのボタンつけの特徴です。
また、市販されているコートの中には力ボタンを使用していないものもあります。理由としましては重量がそれほど重くないことや、外観上(見た目のデザインとして)力ボタンが見えるとすっきりしておらず、あまりきれいとはされない、ことなどがあげられます。
作り手もケースバイケースでその都度素材やデザインを踏まえて対応しています。
デザイナーはすっきりみせるために力ボタンを使いたくない。でもパタンナーは製品の強度を考えて力ボタンを使いたい。
見た目のよさをとるか?製品の安定性をとるか?そのようなやりとりは製作現場でよくあります。
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コートボタンのつけ方(動画)
しっかり付け直して、寒い冬を元気に過ごしましょう!
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