半返し縫いとは?メリットとデメリット、やり方を詳しく解説
2023/05/28

ミシンではなく「手縫い」で小物などの作品作りを楽しんでいる方も多いと思います。
今日はその手縫いの中でもよく使う「半返し縫い(はんかえしぬい)」について解説していきます。
半返し縫いのやり方から、メリットとデメリット、さらには使うシーンまで詳しく解説していきます。
スポンサーリンク
もくじ
半返し縫いとは?

手縫いの手法の一つで、針を半分返しながら縫う方法をいいます。

一般的な手縫いの方法である「なみ縫い」より丈夫に仕上がります。
半返し縫いの断面図
半返し縫いは横から見るとイメージがしやすいです。

図のように半分針を返しながら縫っていきます。
糸が重なり、締まるので、生地をしっかり固定することができます。
半返し縫いのメリット
手縫いなのに丈夫

半返し縫いのメリットはその丈夫さです。
糸を半分返しながら縫うので、生地が締められ、しっかりと縫い付けることができます。
ミシン縫いには及びませんが、半返し縫いは手縫いの中でも強度がある縫い方です。
一般的に手縫いはミシン縫いと比べて、弱く、洗濯等でほつれてくることがあります。
その点この半返し縫いはしっかりしています。
手縫いで何かを作りたい方は、この半返し縫いを「縫いの基本」と考えるとよいでしょう。
半返し縫いは、手縫いの中でも丈夫な縫い方の一つです。
半返し縫いは手縫いだけど「強度」があるよ!
半返し縫いのデメリット
裏側は糸が重なり見た目が良くない
半返し縫いのデメリットとして「裏の縫い目がきたなくなる」があります。
こちらの画像を御覧ください。

このように半返し縫いは、その特性上、裏の糸が重なります。
半返し縫いは丈夫な縫い方ですが、裏面の見た目が少しきたなくなるのがデメリットです。
手縫いで作品を作るときは、「中縫い」だけ半返し縫いにするのがおすすめです。
中縫いだけに使用すれば、糸の重なりは外に見えません。
薄い生地だとひきつれシワがでる
半返し縫いは半分もどり、糸で引き締めながら縫う手法です。
そのため薄手の生地を半返し縫いすると、糸の引き締めにより、縫い目にシワが出ることがあります。
こちらは薄手のタフタを半返し縫いしてみました。

タフタのように高密度で薄手の素材で半返し縫いをすると、縫い目にシワがでる可能性があります。
薄手の生地で半返し縫いをする際はご注意ください。
縫い目がややきたなくなりやすいのが、半返し縫いのデメリットです
半返し縫いのやり方
実際に半返し縫いをしていきましょう。
まず針を刺します。

①針を半分返します。
②その後針を進めます。

①と②を繰り返していきます。

繰り返し針を進めていって、半返し縫いの完成です。

半返し縫いのコツ Q&A
糸は一本取り、二本取り?
普通の縫い目だったら一本どり、さらに丈夫にしたいポイントなら二本どりがいいでしょう。
一本どり、二本どりってなに?という方はこちらの記事で詳しく解説しています。
二本どりで、さらに丈夫にしたいポイントとは、「面ファスナー」を縫い付けるときなどです。

面ファスナーは何度も取り外しするので、力(ちから)がかかりますよね?
このように力がかかるパーツは二本どりのほうが、より安定します。
通常の地縫いなら一本取り、より丈夫にしたい箇所は二本取りにしましょう。
通常の縫い目は糸の一本どり、力がかかる箇所は二本どりとおぼえよう
どのくらいの間隔で縫っていけばいいの?
駒杯針目で短く返していけば、その分丈夫になります。
しかし、なかなか針が進まずに、完成させるのに時間がかかってしまいますよね?
目安としては、表の糸の長さが3mmほど出るイメージで縫うとよいでしょう。

このピッチでしたら 、どの生地でも安定感が出ます。
間隔は3㎜くらいを目安にしてみてね
半返し縫いに向いた素材ってあるの?
前述のとおり、薄手の素材は半返し縫いの際に、縫い目にしわが出る可能性があります。
半返し縫いは、中肉の厚さの綿や麻素材などの天然繊維との相性がよいです。
しわも目立ちずらいですし、天然素材のざっくり感が手縫いの「素朴な感じ」と見た目もマッチします。
逆に考えると、ポリエステルタフタなど薄手で高密度のものとは相性が悪いです。
薄手で高密度のものは、前述のとおり、しわが寄りやすいからです。
綿や麻など、ややざっくりしてて中肉くらいの生地は半返し縫いに向いているよ!
なみ縫いと半返し縫いはどう使い分けるの?
なみ縫いより安定するので、「手縫いは基本、半返し縫いにする」という考え方でOKです。
なみ縫いはやはり安定しません。
「仮止め」としては、いいですが、実際の縫い目に使用するには、なみ縫いはやや弱く、不安定です。
作成時はきちんと縫えているようでも、洗濯などをすると、糸が緩みやすく、ほつれの原因になります。
手縫いは基本、半返し縫いで縫ったほうが、安定します。
仮止め=なみ縫い
本縫い=半返し縫い
と考えるのがおすすめです。
なみ縫いは安定感がないよ。手縫いで作品を作るなら半返し縫いで縫うと丈夫に仕上がるよ!
半返し縫いのまとめ
- 半返し縫いは手縫いの手法の一つ。手縫いでも丈夫に縫い付けることができる
- メリットは丈夫さ。デメリットは裏面に糸が重なり、見栄えが良くないこと
- 基本的に手縫いの場合、中縫い=半返し縫いと考えると、作品の完成度が上がる
\100型以上の型紙が無料/
ヘルカハンドメイドでは服の型紙を無料でダウンロード印刷できます。
>無料の型紙一覧はこちら
\ソーイング中は耳活/
本を聴いて耳からインプット!
audible(オーディブル)はアマゾンが提供する「本の音読サービス」です。
ソーイングや家事の最中でも、耳から情報をインプットすることができます。
イケボで耳活!
「ながら読書」でソーイング中に効率的にインプットしてみませんか?
ad1
ad1
関連記事
-
-
パイピングとは?意味と縫い方を詳しく解説!
手芸ではよく「パイピング」という言葉が出てきます。パイピング、パイピングテープ、 …
-
-
厳選!初心者さんでも縫いやすいおすすめの生地・布は?
みなさんはどんな基準で布を選んでいますか?「見た目かわいい布!」という方が大半だ …
-
-
服のステッチとは?意味と縫い方までやさしく解説
「ステッチ」という言葉、手芸好きの方なら聞いたことがあると思います。 「ステッチ …
-
-
ミシンの返し縫いの役割とコツ
「ミシンの「返し縫い」ってどのくらいの距離をすればいいの?」 という質問をいただ …
-
-
きりじつけってなに?
こんにちは! 最近よい言葉に出会いました。 「頭は臆病だか、手は臆病ではない」 …
-
-
服の型紙の合印(ノッチ)とは?
今日は服の型紙に記載されている「合印」について解説します。 合印(あいじるし)と …
-
-
Tシャツの襟よれの直し方【お家で簡単!動画あり】
夏といえばTシャツ!みなさんはお気に入りの1枚をお持ちですか?お気に入りのTシャ …
-
-
“わ”と”わ裁ち”ってなに?
洋裁用語の”わ”と”わ裁ち”を解説してみました。 洋裁では本当によく出る言葉です …
-
-
玉結び&玉止めのやり方【動画あり】
今日は「手芸はじめて」の方に向けて、手縫いの基本的なテクニックといえる 「玉結び …
-
-
生地の地の目とは?
今日は手芸や服作りでよく使われる用語「地の目」について解説します。 「地の目を通 …