この記事は
「切れ味の良い裁ちばさみを探している方」
「裁ちばさみの買い替えを考えている方」
に役立つものになっています。
パタンナーである私がプロ視点で詳しく解説していきます。
ズバリ!買うべき裁ちばさみはこれ!
一番のおすすめはこちらの「庄三郎」です。
長く使えますし、切れ味が良いので手が疲れません。
もう「庄三郎」にしてください!
裁ちばさみの種類は大きく分けて2つある
ややマニアックな話ですが、裁ちばさみは作られている製法、素材によって
ステンレス製の裁ちばさみ
と
着鋼タイプの裁ちばさみ
の2つがあります。
ステンレスタイプの裁ちばさみ
軽くて、使いやすいこと、また刃が錆びづらいことが特徴です。
初心者~中級者向けの裁ちばさみになります。
価格は100円ショップで購入できるものから、amazonや楽天で3000円ほどするものまであります。
ちなみに100円ショップのものは、やはり切れ味が悪く、使い勝手がよくないため、おすすめできません。
「お試し」として購入する以外は、きちんとしたメーカーのものを購入することをおすすめします。
ステンレスタイプなら、こちらのクロバー社製の裁ちばさみがおすすめです↓
クロバーは手芸用品を扱っている老舗のメーカーです。
使い勝手もよく、品質に信頼があります。
着鋼タイプの裁ちばさみ
「ちゃっこう」と読みます。
刃の部分は鋼、刃でないところは軟鉄を使用して作られています。
鋼の硬さ(切れ味)と軟鉄の耐性(丈夫さ)のいいとこどりした裁ちばさみです。
中級者~上級者向けの裁ちばさみになります。
切れ味抜群で、力を入れなくても「スッ」と軽い力で布を切れるので手が疲れません。
また「研ぎなおし」ができるため、切れ味が落ちても復活させることができます。
裁ちばさみの研ぎなおしについてはこちらの記事で詳しく説明しています↓
着鋼タイプでおすすめの裁ちばさみはこちらのKAWAGUCHI「庄三郎」です↓
私も愛用中です。かれこれ10年以上使用しています。
裁ちばさみには大きく分けて「ステンレス」と「着鋼」の2種類があると覚えておいてください。
裁ちばさみを選ぶ際のポイント
裁ちばさみを選ぶ際は、いくつか大切なポイントがあります。
必ず刃先が尖った裁ちばさみを選ぼう
ステンレス、着鋼問わず、裁ちばさみは必ず、先の尖った(とがった)ものを購入してください。
理由は、先の尖ったものでないと、細かいパーツやカーブの裁断がしづらいからです。
100円ショップ等で先が鋭角でなく、「丸い形状」の裁ちばさみが売っていますが、そのタイプだと、小さなパーツなどをカットするのが難しくなります。
裁ちばさみは必ず「刃先が尖ったもの」を選んでください。
自分が作る「作品のジャンル」を考えよう
自分が作る作品のジャンルも、裁ちばさみの選び方に関係してきます。
子供服や小物はパーツが小さいので、カットする距離が短いですよね?
その反対に、大人服はパーツが大きいので必然的にカットする距離が長くなります。
子供服はカットする距離が短いので、そこまで気になりませんが、大人服のように長い距離をカットすると、手が疲れてくるもの。。
大人服を作る場合は、「裁ちばさみの切れ味」が重要になってきます。
切れ味が良ければ、楽にカットできるので、手が疲れません。
大人服を作るなら断然着鋼タイプがおすすめです。
また量産したい(同じ作品をたくさん作って販売したい)という方も、着鋼タイプがおすすめです。
ステンレスと着鋼、どっちの裁ちばさみを買えばいいの?
ステンレス裁ちばさみのメリットとデメリット
ステンレスタイプの裁ちばさみの使い勝手は「普通」です。
価格は安~普通くらいで、切れ味はやや落ちやすいです。
軽いですが、切れ味が「普通」のため、厚手の生地をカットするのはやや苦手です。
ステンレスタイプの裁ちばさみは初心者~中級者の方向きといえます。
着鋼裁ちばさみとメリットとデメリット
着鋼タイプは切れ味、使い勝手は「抜群」です。
軽い力で切れるため、厚手の生地をカットしても手が疲れません。
価格はやや高価ですが、切れ味も長くキープできます。
初級〜プロまで幅広く適応し、値段はやや高めです。
ただ裁ちばさみは研ぎ直しができますので、長期的にみると着鋼タイプのほうがコスパはよいといえます。
使用後に専用油を塗布すると、サビが予防でき、切れ味も長持ちします。
個人的には着鋼タイプがおすすめです。
理由は切れ味が長持ちし、切れ味がよく、使っていて手が疲れません。
切れ味が悪くなったら研ぎ直しができるからです。
長期的に考えると、着鋼タイプのほうがコスパはよいでしょう。
迷ったら着鋼(鋼)タイプがおすすめ!
裁ちばさみのサイズ選びのポイント
裁ちばさみには「サイズ」があります。
標準的な大きさのもので24cm
やや大きめのもので26cm
小さめのものだと20cmのものまであります。
基本的には24㎝(標準サイズ)のものを購入すれば問題ありません。
裁ちばさみの寸法は手のサイズというより、刃渡りのサイズ(全体のサイズ)の寸法になります。
ご自身の手の大きさをことさら意識する必要はありません。
ちなみに私は24cmと26cmの裁ちばさみの両方をもっていますが、使い勝手に大きな違いはありません。
どちらも問題なく使用しています。
裁ちばさみのサイズは24cmを選べばまず問題なし!
左利きの人は「左利き用の裁ちばさみ」を選ぼう
着鋼(鋼)タイプの裁ちばさみには「左利き用」のものがあります。
右利き用(標準)より、やや高くなりますが、左利きの方はこちらを購入するとよいでしょう。
【プロ視点】おすすめ裁ちばさみベスト3
第3位:
Clover 布切はさみ ブラック 24cm
みんな大好き、安心のブランド、クローバーの裁ちばさみです。
素材はステンレス。軽さが特徴です。
外側がコーティングされているので、サビの心配がありまさえん。
初心者の方、手芸はじめての方におすすめの裁ちばさみです。
第2位:
Zwilling ツヴィリング 「 スーパーフェクション クラシック 裁ちバサミ 23cm
こちらはドイツのツヴィリングJ.A.ヘンケルス社です。
素材はステンレス。
この裁ちばさみの魅了は何といっても、上品なデザインです。
中央のネジがゴールドでとても印象的な裁ちばさみです。
使い勝手だけでなく、見た目にもこだわりたい方、インスタグラム等で作成風景もアップしたい方におすすめの裁ちばさみです。
「映える裁ちばさみ」です。
第1位:
KAWAGUCHI 庄三郎 裁ちばさみ 標準型 240mm 01-240
着鋼の裁ちばさみです。
着鋼ならこれ!というくらい定番、王道の裁ちばさみです。
魅力はなんといってもその切れ味。
ストレスなくスッと布をカットできます。
切れ味が良いので、布を切る感覚が心地よいです。
私も10年以上愛用中です。
裁ちばさみの切れ味を長く保つコツ
鋼のはさみの取り扱いで、気をつけてほしいことがあります。
①裁ちばさみで紙は絶対に切らないこと
紙を切ると、刃が悪くなり、切れ味が落ちます。
型紙を布の上にとめつけて裁断する際、よく型紙と一緒に切ってしまうことがあります。注意しましょう。
②裁ちばさみは高い位置から落とさないこと
机などから落とすと、床にぶつかった際の衝撃で、切れ味が悪くなることがあります。ご注意ください。
また布を噛ませずに、チョキチョキと「空切り」すると、切れ味が悪くなる原因になります。
こちらも癖でやりがちなので、注意してください。
③裁ちばさみはできるだけ「持ち主以外」の使用を避けること
これはちょっと聞いたエピソードです。
以前はさみ研ぎに出したときに、刃物職人さんに聞きました。
はさみで布を切るとき、「ギュッ」と手を握るようにして刃と刃を合わせますよね?
実はこの「ギュッ!」の加減は人によって異なるらしいです。
それぞれにクセがあり、厳密には力の入れ方が人により、違います。
そして裁ちばさみは使用しているうちに、その持ち主固有の「力の入れ方」に徐々になじんできて「刃の合わせ」が最適化するそうです。
しかし、持ち主以外の人が頻繁にそのはさみを使用すると、力の加減が変わります。
そのため、刃の噛み合わせが悪くなって切れなくなってしまうそうです。
だから、はさみはなるべく「自分専用」にしたほうがよいとのこと。
「自分の大切な道具は安易に人に貸さずに大切に扱いなさい」という職人さんの世界での教えなのかもしれませんね。
裁ちばさみの錆予防
裁ちばさみを買う際はこのような「専用油」を必ず一緒に購入してください。
専用油をつかって刃に油膜をつけよう
はさみは汗や皮脂の残りから、酸化して刃が錆びついてきます。
使用後は、軽く布で拭き、このような油を染み込ませた布で上面をなでてください。
ポイントは、ネジ近辺(上図小さい赤丸)だけでなく、刃全体(大きい丸)に塗布することです。
こうすることで油のコーティングができ、刃が長持ちします。
油を塗布する際は手を切らないように十分注意してください。
10年以上愛用中!やっぱり最強裁ちばさみは「庄三郎」
私も裁ちばさみは数本所有していますが、この「庄三郎」は特におすすめです。
私はこちらをかれこれ十年以上使い続けています。
個人的な経験からも、自信を持っておすすめできます。
仮に壊れても、私はまた同じ庄三郎を購入すると思います。
それくらい服作りにはベストな裁ちばさみです。
コスパ、品質最高も自信をもって、おすすめできる裁ちばさみです。
ちなみに私の庄三郎への偏愛はこちらの記事で熱く語っております↓
>参考記事:裁ちばさみは庄三郎で決まり!その魅力を延々と語ってみる
裁ちばさみのまとめ
- 裁ちばさみにはステンレスタイプと着鋼タイプの2種類がある
- ステンレスタイプは初心者~中級向け、着鋼タイプは初心者から上級者まで対応
- おすすめはなんといっても「庄三郎」。長く使えばコスパも最強!
ぜひ良い道具を長く使い、末永く手芸を楽しんでもらえると嬉しいです。