トルソーにはショップで使う「ディスプレイ用のトルソー」と型紙の設計で使う「設計用トルソー」の2種類があります。
手芸やホームソーイングで使用する場合は「設計用のトルソー」を選んでください。
設計用トルソーでは「キイヤ」というメーカーさんが有名です。
トルソーとは
トルソーとは「人体を模した立体ボディ」で、店頭でのディスプレーや服の開発、設計に使用されます。
マネキンとトルソーの違い
トルソーとよく比較されるものに、「マネキン」があります。
マネキンと、トルソーの大きな違いは、頭部や腕など「ありなし」です。
頭部や腕、足があるものが「マネキン」で、それらなく簡略化されたものが「トルソー」と呼ばれます。
また「トルソー」のことを「ボディ」と呼ぶこともあります。
マネキンの用途
マネキンは店頭のディスプレイに使用されます。
マネキンは、「身長が高く、体が細く、手足が長い」のが特徴です。
これは服を「より魅力的に見せるため」です。
実際のモデルさんも、身長が高く、手足が長いですよね?
モデルさんが服を着用すると、そのスタイルの良さゆえ、服がより引き立ちます。
マネキンも服が際立つように、モデルさんの体型を模した形が採用されています。
トルソーの用途
トルソーには
①マネキンと同じように店頭のディスプレイ用と
②服の設計、作成用として
の2種類の用途があります。
①の店頭ディスプレイ用としては、マネキンと使い方は同じです。
服をコーディネートして着せ付けます。
ただしマネキンのように「足」はないので、パンツは着せ付けることはできません。
上着とスカートや、それに準ずる下部分が空いたデザインのもの(ワンピースなど)は着せ付け可となります。
「ディスプレイ用」のトルソーと「服設計用」のトルソーは種類が異なる
「服設計用のトルソー」は実際の平均体型と同じ寸法で作られている
次に「服設計用のトルソー」ですが、こちらは実際の人の体型に準じて緻密に作成されています。
例えば「9号」と呼ばれる、日本人の平均体型の寸法は以下のとおりです。
9号トルソー、9号ボディはこの実際の寸法に準じて作られています。
7号体型には7号用のトルソーがあり、9号体型には9号用のトルソーがあります。
サイズ、体型別にトルソーの種類も細かく分かれているのが特徴です。
実際に販売されている、服設計用のトルソーとはこのような製品です↓
この「キイヤ」というメーカーは日本のメーカーさんで「トルソーといえばキイヤ」といわれるくらいメジャーで信頼があるメーカーです。
トルソーを使って服の設計をするってどういうこと?
「トルソーを使って服を設計する」について、もう少し解説します。
具体的には、実際に布をトルソーに留め付けて、シルエットを確認したりします。
この作業は「立体裁断」と呼ばれることもあります。
シーチングという試作用の生地を使って、「試作→着せ付け→チェック→再調整」を繰り返すことで、服の完成度を高めていきます。
家で使うトルソーの選ぶポイント、注意点は?
用途を確認しよう
パタンナーの方以外「家で立体裁断をしたい」という方はまれだと思います。
実際には
作ったものをトルソーに着せ付けて確認する
インスタなどSNS用にトルソーに着せ付けて撮影する
がメインの使い方だと思います。
「作るため?
「見せるため?」
自分の使い方を明確にして、購入することが大切です。
サイズを確認しよう
実際そこそこ大きいものです。家の中で置くスペースを確保しましょう。
「また自分が作っている服のサイズと合うものか?」も確認が必要です。
トルソーのサイズと自分が作成する、している服のサイズを一致させましょう。
動かしやすさもチェック
トルソーの一番下の部分に注目してみてください。
「キャスター付き」という下に車輪がついているものは、移動が楽になります。
車輪がついていないものは、持ち上げて移動させます。
家の中で頻繁にトルソーを移動させる必要がある方は車輪付きがおすすめです。
家庭で使用するのにおすすめのトルソー
ベーシックトルソー
最もシンプルでベーシックなトルソーです。
本体が発泡スチロールの上に生地を貼っている構造なので軽いです。
価格も買いやすいのが特徴です。
キャスター【車輪付き)トルソー
キャスター(車輪)つきタイプは移動が楽です。
また下の軸が四股のため、安定感があり、倒れる心配がありません。
部屋の中で頻繁に動かす必要がある方にはこちらがおすすめです。
股つきトルソー
こちらの「股つき」トルソーの特徴は、スカートだけでなく、パンツも履かせることができる点です。
上で紹介した、ベーシックタイプはスカートのみで、パンツを履かせることができません。
パンツを頻繁に作成する方は、こちらのトルソーが便利です。
子ども用トルソー
子供サイズのトルソーもあります。
子供服を作っている方はこちらのタイプがおすすめです。
子供は動き回るので、実際に服を着せ付けての撮影が難しいですよね?
トルソーを使えば、安定した撮影をすることができます。
紳士服用トルソー
メンズトルソーもあります。
こちらは「股つき」なのでパンツを履かせることもできます。
メンズ服を作っている方におすすめです。
トルソーQ&A
トルソーってメーカーがあるの?
トルソーには「キイヤ」と「七彩(ななさい)」という有名なメーカーがあります。
どちらも日本のメーカーです。
「キイヤ」は服を作るためのトルソーに強く、「七彩」は服を見せるためのトルソーに強いです。
このどちらかのメーカーのトルソーから選べば大きな失敗はしないはずです。
トルソーって結構高い。安く買う方法はないの?
安く買う方法として「状態がいいものを中古で探す」という方法があります。
具体的には「メルカリ」で探します。
このときの検索キーワードは
「文化ボディ」「トルソー」
などで検索してみてください。
文化ボディとは服飾の専門学校「文化服装学院」が開発したトルソーで、入学時に強制的(!)に購入させられるものです。
文化ボディは9ARと呼ばれる日本人女性の平均体型のトルソーになります。
専門学校卒業後、手放す人が多いので、メルカリなどでもよく流通しています。
「とにかく安く高品質なトルソーがほしい!」という方はこの方法で探してみてください。
文化ボディの注意点としては1/2(ハーフサイズ)のものもあります。
これは机の上で、小さく試してみるためのトルソーで、文字通り「半分のサイズ」です。
9ARトルソーが身長で158㎝設定です。その半分なので、身長79㎝ほどのミニボディです。
メルカリなどで買う際は、間違ってこの「ハーフサイズボディ」を買わないように注意してください。
トルソーのまとめ
- トルソーとは人体を模した立体のボディのことをいう
- トルソーには店頭ディスプレイ用と服の設計用の2種類がある
- トルソーを購入する際は自分の用途をしっかり把握しよう